中性脂肪とは?
中性脂肪というのは、肝臓で作られたり、食事によって摂取されたりして、体内で貯蔵されます。
この貯蔵された中性脂肪は、脂肪酸と同様に体内の大事なエネルギーとなりますが、
中性脂肪はすぐに使われず、万が一に備えて蓄えられます。
3つの脂肪酸とグリセロールという物質が結びついてできていることから、
別名トリグリセリド(トリグリセライド)とも呼ばれます。
この中性脂肪が皮膚の下に付くと皮下脂肪、内臓のまわりに付くと内臓脂肪などと呼ばれます。
体内に存在する脂肪の9割近くがこの中性脂肪で、
ダイエットで減らさなければならないのもこの中性脂肪になります。
中性脂肪の働き
たとえば絶えず活動している心臓の筋肉は、そのために遊離脂肪酸を燃やし続けています。
また中枢神経の集まる脳は、活動するためにブドウ糖を使っています。
ところが、生きていく上でのこうした重要な活動が正常にできないとき、
つまり食事などを通して体外から細胞に必要な活力源が供給されない状態になると、
血液中の糖質が代わりに使われるようになります。
こういう場合には、脂肪細胞に蓄えられていた中性脂肪が遊離脂肪酸という物質に分解されて
血液中に放出されます。
そうして全身に運ばれて、体が正常に活動するためのエネルギーとして燃やされるのです。
ほかにも、中性脂肪が体内に不足していれば、
突然の体への衝撃への対応や体温の調節などに障害が出ることがあります。
もし体内の中性脂肪の量が極端に少なくなれば、
それもまた深刻な結果をもたらすことになります。
中性脂肪の移動
人の体内の血液の量は体重の約3分の1あるといわれています。
血液は、その成分によって「血清」「血小板」「血球(赤血球・白血球)」に大別されます。
私たちが生きていくために必要な栄養素は、
「血清」に溶け込んで全身の細胞に運ばれます。
血清の中には「コレステロール」「中性脂肪」「リン脂質」「遊離脂肪酸」といった4つの
脂質が含まれています。
といってもコレステロールや中性脂肪は、
そのままでは血液には溶け込むことができないので、
リン脂肪や特殊なタンパク質に包まれて、血中を移動しています。
中性脂肪とコレステロールの違い
中性脂肪とコレステロールはどちらも脂質の一種ですが、役割が違います。
中性脂肪は、エネルギー源で、余分な中性脂肪は、肝臓などに蓄えられます。
コレステロールは、細胞膜を作ることや筋肉を作るホルモンの原材料となります。
中性脂肪の基準値
中性脂肪の基準値は、50~149mg/dlです。
中性脂肪が150mg/dL以上だと、脂質異常症(高トリグリセリド血症)の可能性があります。