ストレスと中性脂肪の以外な関連
中性脂肪とストレスはまったく関係ないように思われますが、実は関係があるのです。
ストレスはなぜ、どのように中性脂肪に影響を及ぼすのでしょうか?
ストレスと中性脂肪の関係
ストレスといっても、感じる度合いも人それぞれ。
ある人にとってはそれほどではないことも、別の人にとってはこの上なく不快だったりします。
個人差はあっても、このストレスが大きくなると
心身の健康に悪影響を及ぼすということに変わりはありません。
そもそもストレスとは、外的な刺激が体に加わって心や体がゆがんだ状態になること。
一時的なものはほとんど問題ないのですが、強すぎたり長く続いたりすると、
自律神経の働きが狂った状態になり、その結果ホルモンの分泌バランスを崩してしまいます。
とくに副腎皮質刺激ホルモンと甲状腺刺激ホルモンが悪影響を受けて、
遊離脂肪酸が血液中に溶け出します。
大量に放出された遊離脂肪酸は肝臓に運ぱれ、コレステロールと中性脂肪に合成されると、
ふたたび血中に流れ出るのです。
結果として血清コレステロール値と血清トリグリセライト値の上昇につながり、
さらに深刻なことにはLDL(悪玉コレステロール)の増加を促し、
HDL(善玉コレステロール)の減少をまねいてしまうのです。
この状態が長く続くと、動脈硬化になって心臓病や脳卒中を誘発したりするのです。
ストレスの種類
社会的ストレス
会社の倒産や解雇、仕事の重責、子供の受験など
精神的ストレス
家族の死亡や病気、事業の失敗、子供のいじめ問題など
物理的ストレス
騒音、悪臭、振動など
人間関係ストレス
職場でのトラブル、夫婦・親子げんか、近所付き合いなど
肉体的ストレス
病気やケガ、過労、睡眠不足、暴飲暴食、妊娠など
環境的ストレス
結婚、離婚、転職、人事異動、退職、引越しなど
偏食はストレスを生む
ストレスを感じたら、とにかくためないように心がけることが大切です。
積もり積もったストレスは肉体的にも精神的にも取り除くことが困難なだけでなく、
動脈硬化を進行させる可能性も高くなっています。
ただし、ストレスの解消法にも気を付けなくてはなりません。
たとえば解消の手段としてアルコールを多量に飲んだり、
おなかいっぱいに食べまくる「ヤケ食い」などは健康を維持するには逆効果です。
リラックスした気分で食べたり飲んだりすることは、ストレスを解消してくれますが、
ストレスから逃れるための暴飲暴食はくれぐれもしないようにしましょう。
また、忙しいからといって食事を抜いたり、まとめ食いしたりしないこと。
インスタント食品や出来合いの食事ばかりをしていると、ストレスにも弱くなり、
疲れやすくなったり感情をコントロールしたりするのか困難になります。
偏食はストレスにますます拍車をかけてしまいます。
ストレス状態にあるときこそ、意識して規則正しい食生活を心がけることが重要です。
ストレスを感じやすい人
ストレスを感じやすい人は、野心が強く、負けず嫌いできちょうめんなタイプが多いとされています。
この性格の人は虚血性心疾患になりやすく、それによる死亡率も高いことがわかっています。
この性格の人は、絶えずアドレナリンなどの神経伝達物質を刺激しているため、
血圧が上昇しやすく心臓での酸素消費量も増加するので、
冠動脈の収縮を引き起こしやすいのです。
冠動脈が動脈硬化を起こすと、こんどは心臓の筋肉が酸欠状態になり、
そのために狭心症になります。
これがさらに進行すると心筋梗塞となり、最悪のケースでは死に至ることもあります。
アルコールとストレスの関係
少量のアルコール摂取は、HDL(善玉コレステロール)の増加を促すという効果もあり、
ある程度のストレス解消になるかもしれません。
しかし極度の飲酒は、肝臓での中性脂肪の合成をかえって促してしまいます。
体内にLDL(悪玉コレステロール)か増えて高脂血症などの原因を作ってしまうのです。
また、多量のアルコールを飲み続けていると、次第に肝機能が衰え、
肝臓で合成できなくなった脂肪がどんどんたまって、
最後には脂肪肝になってしまうこともあります。
ストレスを解消しようとアルコールを口にするとそれか習慣になり、さらに酒量が増えるという悪循環に陥ります。
過度にアルコールに頼り切ったストレス解消は、生命の危機につながることを覚えておきましょう。
ストレスを発散させるコツ
食事、睡眠、労働、そして休養と運動、この5つの基本要素がきちんと守られていれば、
人間はそれほどストレスに悩まされたりしないものです。
この基本的な習慣や生活リズムが乱れていると、ストレスはすぐに生じてきます。
偏食をせず、栄養のバランスのとれた食事を規則正しくとっているか、
早寝早起きを心がけ、適度な運動や気分転換をしているか、過度な労働に陥っていないか、
などをもう一度見直してみる必要があります。
また自分の価値判断のなかに「~でなければならない」「~であるべきだ」などの
凝り固まった価値観があるかどうかを確認してみるということです。
こうした判断をするタイプの人は概して他人の考えを受け入れることができなかったり、
マイナス思考なために自己評価が低く、大きなチャンスをフイにしてしまったりすることが多いのです。
「~してもよい」という発想をすることによって、自分の気持ちが楽になり、
対人関係でのトラブルを避けることもできます。
プラス思考を心がけることによって、ストレスをある程度解消することができるのです。