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小型犬の健康管理の一環として、1日に1回は、ブラッシングやマッサージをしながら全身の状態をチェックしましょう。食事や散歩中、一緒に遊んでいるときなども、いつもと違う様子がないか、よく観察してください。 |
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小型犬の健康1
■目
健康な小型犬の目は、イキイキと輝いている。目に力がないときや、トロンとした目つきのときは体調をくずしている可能性が高い。
■目やに、充血、涙目
結膜炎、角膜炎、アレルギー、逆さまつげ。ほこりやタバコの煙など異物による刺激が原因の場合も。寝起きに出る少量の目やには問題なし。
■眼球が白く濁る
角膜炎など。水晶の中が白い場合は白内障の疑いがある。
■目をかゆがる
結膜炎、角膜炎、アレルギーなど
■白目の部分が黄色い
肝臓疾患による黄疸(おうだん)など
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小型犬の健康2
■耳 耳の内側は、きれいなピンク色で、においがないのが正常。耳そうじのしすぎや、強引なケアで炎症を起こすケースもある。
■耳アカが多い
黄色は細菌性、赤褐色は真菌性、黒っぽい場合は耳ダニ症の疑い
■悪臭・耳ダレ
外耳炎、耳ダニ症など |
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小型犬の健康3
■鼻
鼻の表面は、睡眠中と寝起き以外は湿っているのが正常。鼻水や鼻血は小型犬が舌でなめとってしまうこともあるので、頻繁に舌なめずりをしているときは注意しよう。
■多量の鼻水・色の濃い鼻汁
鼻炎、歯周病など。粘り気のある膿性鼻汁の場合はジステンパーの疑いも。なお、透明な鼻水が少量でる程度なら心配はいらない。
■鼻血
鼻炎、鼻腔の腫瘍、異物の混入など
■鼻の表面が乾いている
発熱が疑われる。ただし、小型犬によっては鼻が乾いても正常な場合もある。 |
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小型犬の健康4
■口・歯
歯ぐきや舌は少し赤みがかっているがピンク色、歯はややクリームがかった白色が正常。口を開けて見るときは、犬歯の後ろに親指と人差し指を入れて持つといい。
■口臭が強い
歯石、歯肉炎、歯周病、口内炎など
■よだれが多い
歯周病、口内炎など。極度の緊張感や恐怖心が原因の場合も。
■歯ぐきや舌が白っぽい
貧血の疑い
■舌がいつもより赤い
発熱の疑い。または、内出血している可能性も。
■くちびるが腫れる
歯肉炎、アレルギー、腫瘍など |
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小型犬の健康5
■皮膚・被毛
健康状態がよくないと、被毛にもツヤがなくなりがち。被毛をかき分けて、ノミ・ダニのチェックもしよう。
■フケが出る
皮膚疥癬(ひふかいせん)など。シャンプーがあっていないケースも
■かゆがっている
脂漏症(しろうしょう)、膿皮症(のうひしょう)、皮膚疥癬(ひふかいせん)、ノミアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギーなど。
■全身的な脱毛
クッシング症候群、ホルモン性皮膚炎など。栄養不良のことも。
■部分的な脱毛
膿皮症(のうひしょう)、ニキビダニ症、毛包虫症(もうほちゅうしょう)、ノミアレルギー性皮膚炎など。ストレスが原因のことも多い。 |
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小型犬の健康6
■体
やせたり太ったりしていないか、腫れやしこり、外傷がないかなどをチェック。
■急にやせてきた
腸内寄生虫、糖尿病、腫瘍など。食事量が変わらないの急にやせてくる場合は要注意。
■太ってきた
食べすぎ、運動不足、腹水など。肥満はさまざまな病気を引き起こす要因なので要注意。
■おなかが腫れる
寄生虫、フィラリア、心不全、肝硬変など
■乳房が腫れる
妊娠しているわけでもないのにメスの乳房さ腫れる場合は偽妊娠が疑われる。また、乳房にしこりがある場合は乳腺腫瘍の可能性がある。
■全身がにおう
皮膚炎など。 |
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小型犬の健康7
■肛門
肛門は炎症を起こしやすい場所。しっかりケアをして清潔を保とう。肛門腺の分泌物を定期的に出してあげること。
■お尻を床や地面にこすりつける
肛門嚢炎(こうもんのうえん)、会陰ヘルニアなど。
■肛門のまわりが汚れている
米粒のようなものがついている場合は瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)。
■肛門のまわりが腫れる
肛門嚢炎(こうもんのうえん)など |
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小型犬の健康8
■生殖器
陰部をしきりになめている場合は、出血や炎症を起こしている可能性があるので注意。なお、オスの場合、生後半年をすぎると、ペニスの先端に少量の乳白色の分泌物が付着することがあるが、生理的な分泌物なので問題ない。ただし、量が多い場合は治療が必要。
■出血がある(メス)
子宮蓄膿症(しきゅちくのうしょう)、膣炎(ちつえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)、子宮や膣の腫瘍など。
■おりものがある(メス)
子宮内膜症、子宮蓄膿症(しきゅちくのうしょう)、膣炎(ちつえん)、子宮や膣の腫瘍など。
■陰部が腫れる(メス)
子宮蓄膿症(しきゅちくのうしょう)、膣炎(ちつえん)
■睾丸(こうがん)が腫れる(オス)
精巣腫瘍 |
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小型犬の健康9
■食欲
健康状態がもっともわかりやすいのが食欲。ただし、食欲が落ちたときには、病気以外の理由も考えられる。おやつを与えすぎていたり、急にフードを変えたりしなかったなど確認を。
■食欲がない
内臓疾患、寄生虫、腫瘍など。口内炎や歯肉炎など口の中の炎症が原因のことも。
■水を多量に飲む
糖尿病、腎臓病、クッシング症候群など。
■食欲旺盛なのにやせてきた
糖尿病など、子犬の場合、回虫などの寄生虫が原因のことも |
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小型犬の健康10
■排泄物
排泄物は、小型犬の体調を知る重要なバロメーター。とくに消化能力の低い子犬の時期は、色や状態、におい、量、回数に変化がないかなどを、排泄のたびにチェックしよう。異常があったら、すぐに排泄物を持って動物病院へ。
■下痢・軟便
食べすぎ、消化不良、消化器系の病気、食中毒、ストレスなど。血便がまざっていたら、腸内寄生虫、パルボウイルス感染症、大腸炎などの疑いが、
■便秘
前立腺肥大や腫瘍などによる腸や肛門の圧迫で出にくくなることも。1週間以上便が出ないときは病院へ。
■尿量が多い
糖尿病、クッシング症候群、膀胱炎など
■尿の回数が多い
膀胱炎、腎不全など
■尿が出ない
急性腎不全、前立腺肥大など。頻繁にトイレに行くのにオシッコが出ていない場合は膀胱炎の疑い。
■血尿
フィラリア症、膀胱炎、膀胱結石、腎臓病など。血尿がひどくなるとコーヒー色や黒っぽい色になる。
■尿が白っぽく濁る
前立腺肥大、腎臓疾患など。 |
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小型犬の健康11
■そのほか
せきやくしゃみ、嘔吐など、ほかにもさまざまな症状がある。日常的にチェックを行い、小型犬のサインを見逃さないようにしよう。
■せきをする
気管支炎、心臓疾患、フィラリア症、ケンネルコフ、ジステンパーなど。
■くしゃみ
鼻炎、鼻腔腺の腫瘍、歯周病など
■呼吸が苦しそう
呼吸器や循環器の疾患、フィラリア症など。発熱している場合も。
■嘔吐をする
多くは食べすぎ。元気で食欲がある場合は問題ない。ただし嘔吐が続く場合や、嘔吐以外にも症状がある場合は、胃腸疾患や中毒、感染症などの疑いがあるので、すぐに動物病院へ。嘔吐物を袋に入れて一緒に持っていくといい。 |