放射線白内障の原因と症状
放射線白内障の原因
原爆の被害者や放射線を浴びた人に白内障が多いことが知られています。
また、網膜芽細胞腫の治療で放射線療法を使用し、
腫瘍の位置によっては水晶体に放射線があたってしまうと、
放射線白内障になる可能性があります。
放射線被曝後、高い放射線量なら、早くて1〜2年、
低い線量であれば何年も経ってから症状が現れることがあります。
また、より高い線量では、視力障害を伴う放射線白内障を発症する可能性が高まります。
放射線白内障がどれくらいの頻度で重度の視力障害を生じるほどに
進展するのかは明らかになっていません。
放射線白内障の症状
放射線白内障は、水晶体の一部に濁りが生じるもので、
水晶体の後側表面を覆う傷害を受けた細胞に発生します。
そして、水晶体中心部に濁りが発生するため、
特に明るいところで見にくくなります。
放射線は、分裂している細胞に特に傷を与えやすいので、
まず赤道部で細胞に異常が生じます。
放射線によりダメージをうけた水晶体の細胞は水晶体の後方、
中央部に集まりこれらが濁りとなって光の透過を妨げるのです。
老人性白内障とは異なり、多くは進展せず、
視力障害を生じることは少ないと言われていますが、
低線量の被ばくでは、混濁がある程度以上進行しない停止性のものが多く、
高線量では進行性のものが増加するようです。