白内障の進行段階
白内障の進行は次の4つの段階に分類されるのが一般的です。
ただ厳密に区別されているわけではありません。
初発白内障
濁りが現れた段階で、視力の変化もまだありません。
検査などでたまたま発見されることはあっても、
この時期に自覚症状から気づくのは難しいでしょう。
未熟白内障
濁りが瞳孔にかかり始め、目がかすむなどの自覚症状が出始めます。
この段階で治療を開始し、生活に支障が出るようなら手術します。
成熟白内障
水晶体全体が濁り、視力は0.1以下まで下がります。
水晶体の一部にでも透明な部分が残っていれば、
未熟白内障に分類されます。
遇熟白内障
成熟白内障をさらに放置すると、過熱白内障と呼ばれる末期状態になります。
この段階になると、前嚢が弱くなって破れ、液化した皮質が出てきたり、
逆に嚢が厚くなり、液化した皮質を吸収して板のように硬くなったり、
チン氏体が切れて水晶体が硝子体に落ちたり、網膜剥離を起こしたりします。
ただし、白内障だけでは完全失明することはなく、明暗だけはわかります。
つまり、たとえ過熟白内障になっても光覚さえあれば、
手術で水晶体を摘出し、視力を回復する可能性は残されています。
白内障の進行スピード
白内障の進行のスピードは人さまざまです。
老人性白内障はゆっくり進行しますが、糖尿病だったり、
紫外線をたくさん浴びる環境だったりすると早く進行します。
先天性白内障や外傷性白内障の進行も早いといわれています。
ただ、早く進行する白内障でも手術すれば、問題はありません。
また、白内障の進行度と視力の関係も一様ではありません。
白内障はそれほどひどくないのに視力の低下は激しいという場合あります。
スピードの違いはあっても、白内障の進行を止めることはできません。