正常眼圧緑内障の原因と症状

正常眼圧緑内障の原因

眼圧は正常の範囲内なのに、緑内障になり、病状が進行することがあります。
これは正常な眼圧でも萎縮してしまう弱い視神経の人もいるということです。

 

その人の視神経が耐えられる限界の眼圧を健常眼圧といいます。
たとえば12mmHgが健常眼圧の人が、16mmHgに下がったとすると、
眼圧は正常でも視神経の萎縮は始まることになります。

 

自分の健常眼圧をあらかじめ知ることができれば、眼圧コントロールによって、
緑内障を予防することが可能ですが、健常眼圧を測定する方法は、現在のところありません。
緑内障になってはじめて、健常眼圧がわかるのです。

 

 

正常眼圧緑内障の治療

正常眼圧緑内障では、眼圧がいくら正常の範囲内であるとはいえ、
健常眼圧は超えているのですから、眼圧を下げる治療を行います。

 

一方、高眼圧でも緑内障にならない人がいます。
こういう人を高眼圧症といいます。
ご高眼圧症の人が緑内障になる確率は年に1%程度と以外に低いようです。
ただし、いくら視神経が強いとはいえ、限界はあります。
25mmHgを超えるような高眼圧症は、いずれは緑内障になると考えたほうがいいでしょう。
したがって高眼圧症と診断されたら、定期的に検診をし、
緑内障への移行の早期発見に努めるようにしましょう。

 

 

眼圧を下げるとともに血管を広げる

同じ低眼圧緑内障でも高血圧の人は、低血圧の人より視野の変化、
つまり病気の進行が遅いということが分かっています。
年をとれば、程度の差はあれ、誰でも血液の循環量は減ります。
網膜内の動脈でも、動脈硬化は起こっているでしょうから、循環量は減っているはずです。
つまりこれまでと同じ眼圧でも、網膜に供給される栄養は減ると考えていいでしょう。
低血圧の人はなおさらです。
加えて視神経そのものが構造的に弱ってくるということもあるでしょう。
単に眼圧を下げるだけではなく、同時に血管を広げれば、
十分な栄養を網膜の細胞に供給することができるのではないかと考えられています。