白内障の薬

白内障と分かっても、生活に支障が出るほど視力が低下していない場合は、
しばらく様子を見ることになります。
そこで通常は点服薬が処方されます。

 

白内障の濁りは、水晶体の中の水溶性のたんぱく質が、
水に溶けない非水溶性のたんぱく質に変性して発生します。
いったん非水溶性に変性してしまったたんばく質を元の水溶性に戻すのは、
容易ではなく、そういう薬はまだ開発されていません。

 

濁りを消して、視力を回復させることは無理としても、
せめて進行をストップさせることぐらいはできないのかと思うでしょうが、
それもできないというのが現状です。

 

ではなぜ点服薬が処方されるのかといえば、漫然と様子を見るよりも、
少しでも白内障の進行を遅らせることができればという期待から出されるのです。
効果の判定が難しいのですが、
白内障の進行のスピードに少しブレーキをかける薬はあります。
さらに、使わないより使ったほうが、目の健康全般にとってプラスになります。

 

 

処方される白内障の薬

実際にどんな点服薬が処方されるのでしょうか。

 

カタリン

古くからある薬で、副作用もなく、広く使われています。
水晶体たんぱく質の異常代謝を防ぐといわれています。
自覚症状の出始めた未熟白内障の時期に使うのが効果的だとされています。

 

タチオン

水晶体にはグルタチオンというアミノ酸が多量に含まれていて、
白内障になるとこれが減少します。
そこでグルタチオンを補う意味で使います。

 

一方、内服薬では、バロチン、水晶体に含まれるビタミンCの分解を防ぐとされるチオラ、
白内障になると減少するビタミンCを補うためのビタミンC剤などがあります。
ただし、白内障の人は高齢者が多く、既に何らかの薬をのんでいる人が大半なので、
内服薬は避けるのが一般的。
老化防止の意味で漢方薬の八味地黄丸を処方する場合もあります。