白内障手術の失敗リスク
白内障手術の成功率は100%とはいきません。
手術を受ける人のの期待度が高く、手術の結果に必ずしも満足しない人もいます。
また、いくら万全を期して手術をしても、事故は起こり得ます。
手術によるのリスク
失明
まれに、手術の際の眼内出血のために硝子体圧が下がり、
手術を延期しなければならないことがあります。
ひどい場合は出血に押されて、切開口から眼球の内容物が出てしまい、
失明することがあります。
網膜剥離
また、前嚢を切り取る際に、前嚢に亀裂が入ることがあります。
この亀裂が後嚢にまでまわって破れると、硝子体に核が落ちてしまうことがあります。
吸引するときにも後嚢に穴があくことがあり得ます。
もちろん硝子体手術で落ちた核を摘り出すのですが、眼底に達していたりすると、
今度は網膜剥離を起こすかもしれません。
眼内レンズを固定できない
さらに、眼内レンズをうまく固定できないこともあります。
チン氏体が弱っていたり、後嚢が破れた場合などには、
眼内レンズを眼球壁に縫い付けるか、あるいは眼内レンズをやめて他の方法にするか、
状況に応じて選択しなければなりません。
感染症
いちぱん気をつかうのが感染症です。
手術前後には、消毒はもちろん抗生物質の注射や点滴をきちんと行い、万全を期します。
それでも感染症は数千件に1件起こるといわれています。
何しろ眼球は水あり、栄養あり、温度は一定という温室のような環境ですから、
あっという間に繁殖します。
白内障手術の翌日に、感染症の手術ということもあり得ます。
感染症を完璧に防ぐことはできません、菌をゼロにすることができないのです。
まつげの根元とかまぶたの脂腺とかにいくらでも菌はいます。
発症するかどうかは、前房水の流れ、術後の抗生物質の効き方、
体の抵抗力、菌の種類などによります。